2019北海道車中泊の旅10日目午後【礼文島② お魚天国】
アザラシの親子
午前中の岩巡りを終えて《久種湖畔キャンプ場》へ向かう途中、海になにやら動く岩のようなものが見える気がして眼を凝らすと、アザラシの群れを発見‼
急いで双眼鏡片手に車を降りて見ると、5匹の親子と思われるアザラシが浅瀬で日向ぼっこをしていました。
遠目にも大きく見える3頭のアザラシの間に、顔だけピョコンと覗かせた子アザラシ達が、大きく潤んだ眼をこちらに向けていました。
かわいすぎる!
あとで地元の方に伺ったのですが、礼文島北部はアザラシの群れに遭遇する率が高いそうです。
出逢い
しばらく眺めていると、同じくアザラシたちに気づいた若い女性二人組が車から降りてきました。岩に擬態してるようでよく見えないと言っていたので、双眼鏡をお貸ししたら喜んでいただけて、しばらく立ち話となりました。
お二人のうちの一人は、この春に札幌の大学を卒業して礼文島に就職したとのこと。お友達が札幌から遊びに来てくれたということで、あちこち案内中にアザラシと我々に遭遇したとのことです。
礼文島に就職した方は、島の魅力にすっかりハマったらしく、廻るべきポイントや食べるべき島のグルメ情報を丁寧に教えてくれました。
期待のウニも美味しいお店を伺ったのですが、他にもホッケのちゃんちゃん焼き、ししゃも(本州のなんちゃってししゃもではありません!)、烏賊の鉄板焼や真蛸が美味しいんだそうです。
絶対食べようと夫と感激していたら、島の漁師さんから頂いた刺身があるので持って来ますとおっしゃっていただき、あまりの親切なお言葉に面食らっていると、今日の宿泊先を訊かれ、夕方に届けますと約束してくれました。
かんど~✨
なんて気さくで親切な方なのかしら✨
お魚天国
夕方久種湖畔キャンプ場で「タケルくん」で炊いたご飯とサラダを用意して、その女性の到着を待っておりました。
保冷ボックスから、昆布締めにしたソイという魚のお刺身だけでなく、ホッケとちゃんちゃん焼き用のお味噌に、ハッカクと呼ばれる北の高級魚を、順々に食べ方を説明しながら渡してくださいました。
ホッケのちゃんちゃん焼きのお味噌は、開いたホッケの頭近くのへこんだ部分に流し込み、身が焼けるにしたがってほぐれてきたら食べ頃と教えてくださいました。
その他、アルミホイルやお箸なども持ってきてくださり、その細やかな配慮に更に感動。私が二十歳過ぎの頃に、これだけのことを人に出来ただろうか? 否、そんな気の利く若者ではございませんでした。これだけの親切をサラッと爽やかに出来てしまう懐の深いこの女性は、お友達と予定があるということで早々に引き上げていきました。
忙しい合間を縫ってこれだけの準備をして駆けつけて下さったこの若いお嬢さんの親切に、恐縮し通しの我々オジサン&オバサン。北海道の人情が心に深く染み渡りました。深謝!
さて、気になるお味はというと、どれも記憶に残る感動的な美味しさでした!
まずは昆布締めにしたソイというお魚の刺身。これはただの昆布締めではございません。地元の漁師さんが獲れたてをさばいて、利尻昆布ですかさず締めた刺身です。昆布の風味がとっても上品で、ソイの歯ごたえの良い身にしっかり浸み込んでいました。※礼文島や稚内で取れた昆布も「利尻昆布」と呼ばれるそうです。
そして初めて食べたホッケのちゃんちゃん焼きは、網焼きプレートからはみ出さんばかりの大きさで食べ応え抜群!お味噌も普通のお味噌汁に入れるお味噌と違い、道産子ラーメンの味噌あじに似たパンチの効いたお味でした。これは酒好きの方にはたまらないかもしれませんね。
最後にハッカク(八角)という主に北海道北部で採れる高級魚。稚内のスーパーで売られているのを見て夫と驚いたその特異な姿は、角ばった胴体に古代魚を思わせるような幾何学模様のウロコ、そしてトビウオのように大きく発達した背びれ。なんじゃこりゃ!の様相です。淡白な白身魚で、今回は焼きで頂いたのですが、いろんな食べ方があるようです。ご興味のある方はググってみてください。
この日の夕飯は、この旅最高の晩餐となりました。
(この旅は既に終了しており、振り返ってお届けしております)