あしたも日曜日

~40代セミリタイア夫婦のシンプルライフ~

ポリープ切除しました

胃がんの発症原因の一つとされるピロリ菌。
長年お腹で飼っていたピロリ菌のおかげで胃壁が荒れまくっており、それが原因かは不明ですが、この7月に大きなポリープが見つかってしまいました。
その時見つかったポリープは、胃壁にプクンと提灯のようにぶら下がっているものではなく、ガッツリ胃壁に円柱状にへばりついているものでした。
これを設備の整っていないクリニックで切除すると、血が止まらなくなったりしたときに処置ができないので、入院設備の整った病院を紹介するよと言われてしまいました。
 
手術も入院も未経験の私には衝撃的な検査結果。
ポリープの一部を切り取って組織検査をしたところ、がん細胞などは見つかりませんでした。
急いで切除する必要はなかったので、夏の北海道車中泊の旅(35日間)を終えたあと、手術をしようと決意していました。
 
今回はポリープ切除(内視鏡的粘膜切除術)についてその過程と感想を述べたいと思います。
 
目次

食事制限

手術は14時30分開始という前提のもとに、前日の夜9時以降は食事制限となりました。
脂っこいもの、アルコールを少し控えるようにと説明書きにあったので、夕食はご飯と鮭の西京焼き、お味噌汁にお漬物というシンプルな和食にしました。
当日は、朝食や飲み物は摂らないでくださいという文言に、但し書きで8時までなら水分摂取は可能とありました。
さすがに寝起きはのどが渇くので、7時半にコップ一杯のお水を飲みました。
 

手術に持っていくもの

前回の胃カメラ検査の時に大量の唾液が出たので、そのための準備だと思いました。
病院によっては、病院側で用意してくれるかもしれませんね。
 

その他注意事項

  • ゆったりとした服装で、金属などの付いたものは着用してはいけない
  • 装飾品やお化粧はダメ
  • タバコやガムは、胃液が増加して手術の妨げになるので厳禁
  • 手術の際に使用する注射の影響が残ることがあるので、車やバイク、自転車の運転は不可
  • 術後に体調が悪くなったら申し出る
 

いざ手術室へ

受付を済ませ、外科・消化器内科の前で待っている間、血圧と体温を測りました。
そして、いよいよ診察室に呼ばれ、
 
胃をきれいにするための水薬(おちょこ一杯分くらい)を服用
のどを麻酔するためのゼリー状の薬を5分間口に含み、吐き出す
 
のプロセスを経て、いざ手術台へ
 
まず先生に、同意書へのサインを求められました。
同意事項は
  • 万に一つ、注入する薬(キシロカイン?)に拒否反応を示してショック症状に陥る人がいること
  • 出血すること
  • 胃穿孔(胃に穴が開くこと)
  • 切除困難とみなした場合は、中断する可能性があること
 
「こんなことは滅多にないからね」と一言添えてもらったものの、直前にこの同意事項にサインさせられるのは精神衛生上きびしい。
医療過誤の訴訟が昨今頻繁に起きていることを考えると、病院側としては当然の手続きの一つだとは思うけど、手術を受ける者にとっては怖いことには変わりない。とほほ
 

手術開始

今回は鼻からではなく口から管を通してもらいました。
横になってタオルを顔の下に引き、唾液を受けるトレーを前に置かれました。
 
そしていざ挿入。
「最初にのどを通る時が一番苦しいけど、我慢してね~」
とやさしく声を掛けられたものの、グググッと入ってくる管に窒息しそうになっちゃいました。
「鼻から息を吸って、口から吐いて~」
といわれるのですが、一瞬、鼻からどうやって息を吸っていたんだっけ?というくらいパニックに…。
なんとか我に返って鼻から息が吸えるようになると少し楽になりました。
 
「もうポリープに達したからね~」
といわれて少しホッ。
そこからは、モニターを見ていないので想像ですが、
 
シリンダーに入った透明の薬を注入
ワイヤーを管に通してポリープを切除
切除した後の傷口をクリップで止めて止血
 
の手順で進められました。
 
このクリップなるもので7か所止血してもらったのですが、なかなか位置が決まらないのか、看護師さんとの連携プレイにてこずっているようでした。
「今打って!」
「いや、ちょっと待って!!」
「ハイ、今打って! すぐっ!!」
とタイミングが命といった作業だったみたいです。
このクリップ一つ打つごとにシリンジいっぱいの薬を注入するのですが、これが結構な量なのでお腹がいっぱいになり、それに押し出されるようにオナラがプリプリ(ほぼ無音無臭)出るのが恥ずかしかった。
でも途中からはあまりの苦しさに恥ずかしい思いは薄れ、むせないようにとにかくリラックスすることに努めるので精いっぱいになりました。
 
手術は前回の検査が15分くらいだったから、20分程度かなと勝手に想像していたのですが、結局40分くらいかかりました。
通常とは形状の違うポリープに手間が余計にかかった分、長くなったのかもしれません。
「もう永遠に終わらないかも…」
ちょっと弱気になって涙がぽろぽろ出始めた頃、鼻が詰まってきて窒息しそうになり、とうとう「おえーっ」とえづき始めてしまいました。
 
「点滴しようか」
かなり弱っているように見えたのか、途中から腕に点滴を打たれました。
同時にふくらはぎにもなにか充てられていたようです。
「お願い、早く終わってぇ~」
祈るような思いを抱えつつ、えづくと手術が進まないと思い、なんとかリラックスするよう努めました。
 
ようやく最後のクリップを停め終わって、止血の薬を注入。
管が抜かれ、マウスピースを外されました。
たまりにたまった唾液を吐き出し、タオルで顔をぬぐい、ぐったりとうつろな状態で横たわっていました。
「このまま少し休もうね」と言われ、返事もそこそこにボーッ。
 
しばらくすると、次の手術が入っているということで別室に移され、500mlの点滴が終わるまでベッドに寝かせてもらえました。
 

術後の説明

点滴後、先生に呼ばれ、今回の手術について説明を受けました。
胃壁にガッツリへばりついたポリープを切除するために、ポリープをつまみ上げて切ったので、傷口は通常より多少大きかったみたいです。
胃壁が固くてクリップが打ちづらかったらしく、「本来ならもっときれいに打てるんだけどねぇ」と見せられた映像は、確かにゴチャゴチャ。
なかなかの衝撃映像です。
苦しさも相まって、今でも残像として思い返してはへこむ、というトラウマ具合。
もうやだ~
ちなみにこのクリップは1か月くらいしたら下から出ていくそうです。
 
切り離したポリープを組織検査に回すので、2週間後に来院するよう言われ、2週間分のお薬を処方してもらい、この日は終了。
 

薬が在庫切れ!

会計を済ませ、すぐ近くの薬局に処方箋を出したところ、5種類あるうちの1つが在庫切れで取り寄せないといけないと言われてしまいました。
「え~っ!」
今夜から飲むのに取り寄せじゃ話にならない!!!
他にも薬局が近くにあったので、そっちに行ってもいいかと聞くと、こちらから問い合わせますと言ってもらえました。
ところが、
「近隣の薬局4か所に問い合わせたのですが、どこも在庫切れです。ご自宅の近くに薬局はありませんか?」
そんなぁ。
もう早く帰って横になりたいよ~。
でも薬をもらわないと帰れない。
自宅近くの薬局も何軒かあたってもらい、それでも埒が明かず、結局最寄りの一番大きな駅の近くの薬局まで取りに行くことになりました。
 
幸い夫が車で連れて行ってくれたので何とかなりましたが、この日は雨。
車のない人だったら大変だよなぁと思いました。
そんな滅多に流通してない薬を処方しなくたってぇ、とちょっとムカつきました。
薬局で在庫切れなんて初体験です。
こんな事もあるんですね。
なんなら病院に戻ってもっとポピュラーな薬に処方し直してもらえば良かったかもしれないと後で思いました。
 

薬の服用

疲れたよぉ~
怖いけどお腹空いたからなんか食べたい~
今日明日はお粥や素うどんを勧められていたので、帰宅後、素うどんを食べてお薬を飲みました。
14日分、7日分、3日分と併せて5種類。
胃酸の分泌を抑えたり、胃の粘膜を保護したり、止血、炎症を抑える薬などになります。
今回薬局で探しまくってもらったお薬が何だったか、パニックでうろ覚えなのですが、たぶん「マーロックス懸濁用配合顆粒」(胃酸を中和する薬)だったと思います。早く広く流通してくれ~!
 
なお、今回は入院を伴う手術にはならなかったので、私が入っている民間の保険では適用外となりました。
あとは、組織検査の結果を聞くだけ。
でも、万に一つ何日か経ってから出血することもあるから、血便や吐血、痛みが出たらすぐに来てねと言われちゃいました。
最後の最後に脅された気分で更にずずぅ~んとへこんでしまった私。
翌朝は憂鬱な気分が取れずなかなか起き上がれませんでした。
 
ピロリ菌で胃壁が荒れてしまっている人は毎年胃カメラ検査を受けたほうが良いそうです。
でも今は来年のことは考えたくない。
早く忘れたい!!

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