2021年 北海道車中泊の旅 42日目 伊達市
道の駅だて歴史の杜
夜中に吹き荒れていた暴風雨が、今朝は小雨に変わり、車の中でまったりしながら「道の駅だて歴史の杜」オープンを待ちます。
こちらの道の駅は、江戸時代の城塞のような広い「だて歴史の杜総合公園」内に、以下の立派な建物と共にズラーっと並んでいます。
だて歴史の杜カルチャーセンター
だて歴史文化ミュージアム
旧三戸部家住宅
観光物産館
体育館
図書館
総合公園遊技場
9時過ぎに中に入ると広い農産物直売所にお客さんがわんさか。皆さん真剣に野菜、果物、切り花などを選んでいます。観光客より地元の方のほうが多そう。
こちらは何が特産なのか分からないくらい多種多様な農産物が揃っており、他では見たことがないような珍しい野菜や果物を見ているだけで楽しめます。
情報コーナーを兼ねたフードコートには地元の回転焼きやさつま揚げ、パンのお店が並んでおり、飲食スペースもゆったりしています。
だて歴史文化ミュージアム
道の駅と同じ敷地内にある「宮尾登美子記念アートホール」が既に閉館されていると知らず赴き、スゴスゴとすぐ手前の博物館1階でくつろがせていただきました。
こちらには伊達市に関わる資料が読めるスペースがあり、自販機でコーヒーが買え、Wi-Fiまで整っているので、終日雨の予報の今日には最適のくつろぎスペースになりました。
人口4万人足らずの伊達市になんでこんな立派な施設がたくさんあるんだろうと気になり手に取った本が、伊達市教育委員会が発行した「北の大地と生きる〜海を渡った亘理伊達家家臣団」。
子どもが読みやすいように大きな文字で書かれているので、遅読の私でも3時間ほどで読み切れました。
伊達政宗の時代に遡って、伊達亘理家の人々がどのような経緯で北海道に移住することになったのか、またいかにして土地を切り開き今の伊達市に根付き発展してきたかがこの一冊で読み解けます。
新天地のために私財を投げ打って開拓と発展に努める主君に、信義を尽くす家臣とその家族たち。伊達市の先人たちの人と人との関わりを見ていると、共同体意識や高い志が、厳寒での開拓という困難を乗り越える上で非常に大切な鍵となっていたことが伺えます。
今だけ自分だけのお金に振り回される我々現代人は、果たしてアフターコロナを生き延びることが出来るのか、深く考えさせられる一冊となりました。
はらぺこ漁業部
Googleマップで周辺を探っていて見つけた食堂「はらぺこ漁業部」。
海産物だけではなく、ぶた汁も評判とクチコミを見てランチに赴きました。道民は「とんじる」ではなく「ぶたじる」と言うそうです。
私は「タラフライの甘酢添え」に味噌汁をプラス200円で小ぶた汁に替えてもらいました。夫は同じくタラのフライにチリとタルタルの2つのソースがかかった「タラチリタルタ定食」。
カリッフワッのタラフライにそれぞれのソースがよく合います。やっぱり揚げたては最高ですね。
また、定食にはタコとマグロの刺身が付いている上に、春雨の甘辛煮もご飯が進みます。
そしてぶた汁の具の多いこと多いこと! 塩分控えめの味噌汁に豚肉と根菜の味が溶け込んで、シメにご飯をぶっこむと最後の一粒まで美味しくいただけました。
もちろん、お腹は張り裂けそうなくらいパンパンです。
旭湯
本日のお風呂は「旭湯」さん。
大人450円
シャンプー石鹸の類はご持参ください。
こちらもクチコミで、古いながらも綺麗に清掃されていることと、昭和レトロな銭湯マニア必見の銭湯とあったのが気になりお邪魔しました。
衝撃レベルの昭和です。
昭和といっても40年代を通り越して、30年代、いや、開拓当初から営業なさっていたのかと思えるほどの古式ゆかしき銭湯です。
懐かしの森光子主演の「時間ですよ」をご覧になった方はご存知かと存じますが、こちらも中に入ると銭湯の主が中央の高座に座り、男女双方の脱衣所が見渡せる構造になっております(こちらは高齢の女性がご主人でした)。
ロッカーなどはもちろんなく、飴色に使いこなされた竹籠に荷物を載せます。
脱衣所から浴場まで何一つとってもどう使って良いのか頭を捻りながら挑む必要がありますが、キョロキョロしているとご主人がそっと教えてくださいます。
シャワーは当然固定式で、身体をぐるりと一周させて泡を落としたらいざ湯船へ。
浴場の中央にある楕円形の湯船に入ると、熱いこと熱いこと! そして深い!
シーンと肌に染み渡る熱さに瞬間芸のごとく脱出しました。
浴場を出て服を着ると、ネットで有料と確認していたドライヤーを探します。
そちらをどうぞと促されたドライヤーは、昔美容院でパーマをかける時に被せていたヘルメットのようなものがソファにくっついているタイプでした。
ひえーっ
さすがに怖くて使えません!
そして極め付けがお便所。
もうここからはお分かりですね?
なお、クチコミにあったとおり浴場も脱衣所もトイレも、一分の隙なくピカピカに清められておりました。
ここは銭湯博物館。
歴史と伝統を大切にする伊達市ならではの銭湯でした。
女将、天晴れ!
(この旅は既に終了しており、振り返ってお届けしております)
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