あしたも日曜日

~40代セミリタイア夫婦のシンプルライフ~

2021年 北海道車中泊の旅 26日目 網走監獄

本日は網走のメインターゲット「網走監獄」に行って来ました。

 

博物館網走監獄

大人 1,100円

(ネットで割引券をスクショして10%引きで入場しました)

博物館 網走監獄 公式サイト

本当は博物館は終日雨の日に屋内で過ごせるので便利だと思っていたのですが、暴風雨だと駐車場からの移動だけでもずぶ濡れになると思い、曇りの本日に変更しました。

正解です。

広い敷地内にたくさんの展示施設が散らばっており、雨の日はとても大変だと思いました。

 

入場口

蓮の花が美しい小川にかかった「鏡橋」を渡ると立派な二見ヶ岡農場旧正門がお出迎え。左手にはダイニング「監獄食堂」があります。

なお、現在の網走刑務所で収容者が食べている食事メニューの再現「体験監獄食」だけでなく、「オホーツク網走ザンギ丼」や「網走監獄ロコモコ丼」も食べられます。

監獄食 | 博物館 網走監獄

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二見ケ岡農場旧正門と監獄食堂

順路に沿って廻っていると、あちこちにギボウシや紫陽花など綺麗に植栽されていて、庭園としてもとても立派な博物館です。

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多種多様なギボウシたち

 

リアルな再現人形たち

屋内外に配置されている囚人や看守の人形が、一体一体ちゃんと個性のある顔で、一つとして同じ人物はいないのではないかというくらいリアルでした。

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個性豊かな人形たち

薄暗い館内で見るとより臨場感があり、「休泊所」と呼ばれる網走から旭川へ抜ける中央道路開削工事に駆り出された囚人が宿泊するための仮小屋では、粗末なベッドに寝ころぶ囚人たちがとてつもなくリアルで、思わず「怖い〜!」と泣き声をあげて他の入場者を驚かせてしまいました。

人形職人さんが魂込めて造られたんでしょうね。悲惨さを伝えるのに抜群の効果です。

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解体して移動が出来る「休泊所」 別名「動く監獄」

 

国策の犠牲となった囚人たち

網走監獄は開拓当時、ロシア軍南下を阻止するための道路開通のための突貫工事に全国から集められた囚人が収容された場所でもありました。単なる一地方の監獄というわけではなかったんですね。

監獄歴史館」では開通工事中に多数の囚人が亡くなった様子を体感シアターで上映しています。

他の展示物でも当時の囚人たちの悲惨な労働環境を伝え、今ある北海道はこうした囚人たちの犠牲の上に成り立っていると繰り返し紹介されていました。

 

囚人たちの日常

「二見ケ岡刑務支所」では収容者の食糧を担う場所として、農場の様子が再現されていました。

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通信手段としての伝書鳩も飼っていました

その他、炊事、洗濯、入浴、教誨堂の様子など囚人たちの日常風景も再現されています。

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お洗濯
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小豆をより分けたり、教誨したり

重要文化財の舎房と中央見張所

てっきり「二見ケ岡刑務支所」で終わりと思っていたら、散々歩き回った後にメインともいえる広大な舎房に到着。

うひゃ~、ちょっと疲れてきたかも。

この重要文化財である木造平屋建ての建物に入ると、まず「中央見張所」という看守の見張場所があり、この見張所を中心に放射状に配置された舎房の廊下が見渡せるよう効率的に設計されています。

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右手が見張所の中からの視点
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舎房の続く廊下

天井の高い廊下の暖房から各舎房に暖気が流れて行っていたのか疑問。

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舎房の入り口と食事の様子

広さ9.90㎡の舎房に3~5名収容されていました。

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背中のもんもんが眩しい入浴シーン

厳しく時間制限された入浴工程にもかかわらず、当初想定されていたよりも入浴頻度は低くなっていたそうです。厳寒の冬はきついですね。

また、こういった過酷な生活環境と労働からは想像できないような美しい装飾や建物も存在していました。

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ヘリンボーンの廊下(左手)と登録文化財の哨舎(右手)

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まるで迎賓館のような教誨堂の内装

これまで見た日本の博物館の中で一番というと月並みな表現ですが、想像を遥かに超える充実した博物館でした。

なんといっても監獄をテーマにしているユニークさと、北海道の開拓や国防という歴史的な意義や背景を知り、日本人として学習すべき施設だと思いました。

一つ一つ感じ入って見て回ると3時間越えの見物になり、博物館を後にする頃にはクタクタになっていました。

 

ゴールデンカムイ

今回、網走監獄の土産物店でアニメにもなっている漫画「ゴールデンカムイ」のグッズが豊富にあり、まだその存在を知らなかったのでスルーしたのですが、ドはまりした今となっては聖地巡礼目線で楽しめたのに!と事前に読んでおかなかったことを激しく後悔しました。

網走監獄は現在26巻まで続くゴールデンカムイの中でも重要な舞台の一つになりますのでアイヌや明治時代にもご興味ある方は是非とも読んでいただきたい作品です。

 

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明治期に北海道各地(樺戸、空知、釧路、網走)に建設された集治監(監獄)の設置候補地選定から廃監まで、作者の執念がうかがえるほど精緻に綴った記録小説。監獄を通して当時の世相も読み取れるので、近現代史にご興味のある方は必読です。

 

網走監獄に熱が入りすぎたため、26日目は午前中にて一旦終了します。

 

(この旅は既に終了しており、振り返ってお届けしております)

 

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